SPMによる電気化学計測のロードマップ
Roadmap of SPM Applications to Electrochemical Systems

福井 賢一
Ken-ichi FUKUI

大阪大学 大学院基礎工学研究科
Graduate School of Engineering Science, Osaka University

  1. はじめに
  2. 電気化学系での試料電極およびプローブ電位の制御
  3. 電気化学系でのSPM測定の分類
    1. SECM測定
    2. EC-STM測定
    3. EC-AFM測定
    4. EC-FM-AFM測定
  4. 今後の電気化学系のSPM測定に期待されることと技術予測ロードマップ

1. はじめに

(a)
(b)
(c)
図1 (a)電解質溶液中でのpotentiostatによる作用電極電位の制御.(b) SECMの測定概念図.(c) EC-STMの概念図.

 電気化学はA. Voltaによる電池の原型の発見(1800年)に始まると言われ,特に電解質溶液と固体電極との界面における電子移動反応過程全般を扱う学問である。よって,二次電池,キャパシタから燃料電池,太陽電池に至る界面でのエネルギー変換・蓄積の効率に直接関わるプロセスを扱い,その基礎的な理解は極めて重要である。電極電位を印加することで電極の電気化学ポテンシャルを変え,電極との電子移動によって溶液中の分子やイオンの電荷を変えたり(酸化・還元),反応を誘起することができる(図1(a))。逆に,絶対的な電気化学ポテンシャルの制御なしでは議論できるようなデータは得られない。SPMを用いた計測という点で,幅広い電気化学系に対して測定が可能なSTMやAFMでは,この電気化学ポテンシャルの制御とプローブ上での電気化学過程の抑制以外には特殊性は存在しない。本稿ではそれを踏まえつつ,電気化学系のSPM測定に今後求められるものを示し,将来予測について論じる。

2. 電気化学系での試料電極およびプローブ電位の制御

 電気化学の測定では,参照電極(reference electrode)を基準として電気化学過程の起こる電位を表記する。代表的な参照電極が標準水素電極(SHE)で,他の扱いやすい参照電極の電位はSHEに対して決められている。試料電極を作用電極(working electrode)とし,参照電極,補助電極(counter electrode)を配置して電解質溶液で満たしたセルをpotentiostatにつないで試料電位を制御する(3極系)。このとき,溶液の電位の絶対値を決めることは原理的にできないが,参照電極に電流が(ほぼ)流れない条件がpotentiostatで保証されるため,参照電極と溶液電位とは一定値となる(図1(a))。このような電解質溶液中では,試料電極の種類に応じて,電極上に顕わに電荷が生じない電位(potential of zero charge (pzc))が決まり,それよりも電位が正(ポテンシャルφが正)であれば電極表面には正電荷が生じ,電極表面にはStern層としてアニオンが吸着するとともに近傍にもアニオンが過剰に存在しながらバルク溶液の組成へと連続的につながることで電位勾配を形成する。電位が負の場合もカチオンに変わるだけである。このようにして界面に生じる電気二重層(Electric double layer (EDL))の厚みは,溶液中で電荷が遮蔽される長さであるDebye長に相当するため,10-3 Mの濃度の一価のイオンの水溶液で形成される電気二重層は10 nmであるが,0.1 Mになると1 nmまで薄くなる。よって,そこには大きな電場が集中し,電池やメッキに代表される電極表面での電気化学反応のdriving forceを与える。

 試料電極電位は参照電極のFermiレベルに対して設定されるため,金属など導電体であればどんな電極試料でも同じFermiエネルギー位置となり,溶液内の酸化・還元活性(redox活性)物質は一定の試料電極電位で電子の授受を起こし得る(過電圧の小さい場合)(図1(a))。よって,試料ばかりでなく電位をもつプローブ(探針やカンチレバーなど)の表面でも電気化学反応が起こり得ることに注意が必要となる(図1(c))。試料電極上で起こる電気化学反応による電流は補助電極との間に流れ,参照電極には流れない。

 走査するプローブでの電気化学反応を抑制する(または制御する)ために,bipotentiostatが用いられる場合がある(図1(c))。これは作用電極をもう一つ有し(4極系),これをプローブにつないで試料電極と同様に電位制御を可能とする。また,電流を計測するSTM等では電気化学反応による電流Itip, ECを極力抑制したいので,探針先端以外はガラスや高分子によって絶縁する必要がある。

3. 電気化学系でのSPM測定の分類

 電気化学系でのSPMを大きく分類すると,以下の2種類に分けられる。

① プローブ先端で起こる電気化学反応を利用して,局所的な電気化学活性を測定。
  代表例:走査電気化学顕微鏡(Scanning Electrochemical Microscopy (SECM))

② プローブ先端に流れるトンネル電流や先端に働く力を利用して局所的な構造,電子状態を測定。
  代表例:電気化学STM(EC-STM),電気化学AFM(EC-AFM)

以下にそれぞれの測定原理や現状について記す。

3-1. SECM測定

 SECMの測定原理を図1(b)に示す。4極系のSECMは1989年にBardらによって提案され[1],今日までに非常に多くの報告例がある。この手法は,電解質溶液内にある(または溶液中に放出された)redox活性種(O:酸化体,R:還元体)の酸化還元反応(電子移動反応)をプローブ先端の金属電極で起こし,その電流を計測する。溶液内にredox活性種が分散している場合には,試料表面から遠い位置にあるプローブには一定の電流が流れる(図1(b)左)。試料電極ではプローブ先端で起こるのとは逆反応が進行するように電位を設定しておくと,例えばプローブ先端ではO + e→ Rの反応が,試料表面ではR → O + eの反応が進行するため,プローブが試料表面に接近するほど狭い空間内で連続的な酸化還元サイクルができあがり,電流量は増加する(図1(b)真ん中)。一方,試料表面の一部が絶縁層で覆われるなどして逆反応が進行しない場合には,狭い空間内へのredox活性種の拡散が抑制されるために,プローブが試料表面に接近するほど電流量は減少する(図1(b)右)。また,試料の特定の位置でのみredox活性種の酸化還元が起こる条件で測定を行うと,その位置は反応できる分子濃度が高くなり多くのファラデー電流が流れる。この原理に従うため,電流量をプローブ高さ制御のfeedback信号とすることで構造情報が得られたり,電気化学反応活性の大小の情報が得られる。

 近年,このSECMの発展型の顕微手法が複数種報告されている。電極全体を応答させながらプローブで局所的な活性を見るのではなく,ガラスピペット型プローブの先端に表面張力によって電解質溶液の液滴を造り,その液滴を微小な電気化学セルとして用いて局所的な電気化学応答を計測しつつ試料電極上を走査する方法,走査電気化学セル顕微鏡(Scanning Electrochemical Cell Microscopy (SECCM))もその一つである。Liイオン電池の正極コンポジット材料の局所的なLi+放出能が空間的にマッピングされている[2]

3-2. EC-STM測定

 4極系のEC-STMは1988年に東北大 板谷らを始め,ほぼ同時期に数グループが報告している[3]。試料電極電位と探針電位はbipotentiostatにより別々に設定されており,試料電位と探針電位の差が通常のSTM測定のバイアス電圧となる(図1(c))。なお,市販装置の多くではbipotentiostatの代わりにpotentiostatを使用し,探針のポテンシャル(Etip)は試料電極電位(EWE)との間のバイアス電圧(Vbias)を設定することで簡略化してしまっている。EC-STMでも通常のSTMと同様にトンネル電流Itipを高さ制御のfeedback信号とするため,その他の電気化学過程で生じるファラデー電流(Itip, EC)は極めて低く抑える必要がある(図1(c))。電気化学環境下での使用に耐えるPt/Ir探針の場合のワックスやマニキュアなどによる探針先端以外の絶縁被覆作製の方法論は確立されている(また,電気化学測定用の被覆探針は一応市販もされている)。探針電位が電気化学反応を顕わに起こさない領域に限られるために,バイアス電圧の設定可能範囲が小さくなるなどの不都合を除けば,他の環境でのSTM測定と本質的に変わるところはない。

図2 EC-STMを用いた硫酸水溶液中でのAu(111)電極表面の電位に応じた表面構造の変化の観察.電位はAu/AuOx擬参照電極に対する値.

 Imagingについては,電極電位に応じて電極界面に配列吸着する電解質イオン等の高分解能観察は数多く報告されている。図2は,Au(111)電極の表面が電位に応じて構造変化を起こす様子を捉えたものである。Auのような比較的不活性な電極表面で,水の酸化や還元などの反応が起こらない電位範囲においても構造変化を起こし得ることは注意が必要である。

 トンネルスペクトルについては,一般にI / Vスペクトルはバイアス設定範囲の制限により困難であるが,Izスペクトル(距離依存)は測定可能である(実際の実験は困難で,信頼のおける測定結果は少ない)[4]

図3 (a) 末端にredox活性基をもつ分子FcC11H22SHのAu(111)上の自己組織化単分子膜(SAM)の0.1 M HClO4水溶液中でのサイクリックボルタモグラム(CV).(b-g) FcC11H22SH分子をC10H21SH SAM中に島状に埋め込んだ試料(Fc-アイランド試料)の0.1 M HClO4水溶液中でのEC-STM像(100 × 100 nm2).

 電気化学系での特有の情報として,電極表面に吸着した(または化学結合で固定された)redox活性分子の酸化還元電位の値を決定することが可能である。これは,redox活性分子の(virtualな)酸化還元準位を介して電子がトンネルするときにトンネル確率が増加する(トンネル電流が増加する)からである[5]。図3にAu(111)電極を覆うredox不活性な自己組織化単分子膜(SAM)中にredox活性な分子を島状に埋め込んだ電極試料の電位に依存したEC-STM像を示す[6]。図3の丸印の位置はredox活性な分子数個が集合した島を含んでいるが,上の段のSTM像ではFc0は凹に(図3(b)),Fc+は凸に(図3(d))見えているものの,下の段のSTM像では凸凹の関係が逆になっている。つまり,分子の見え方は電荷状態に依存するというよりも,Fcの(virtualな)酸化還元準位が,探針や試料の電位に対してどこにあるのかを示すのである。

 同じ原理に従って,試料電位と探針電位の差であるバイアス電圧を一定に保ったまま電位を掃引すると,(virtualな)酸化・還元準位が試料電位と探針電位の間に位置するときにトンネル電流がピークをもつ。これを利用して,電子移動を起こすredox centerが基板電極から遠い酵素などでも,酸化還元電位が求められている[5]。しかし,分子の電荷状態によって異なるはずの電気二重層内の局所配位環境,すなわち溶液側の局所情報がEC-STMでは得られないことが,界面電子移動反応の理解のためには大きな問題点の一つである。

3-3. EC-AFM測定

 EC-AFMは1991年にHansmaらによって,金属電極表面上に金属が電析して行く構造変化を捉えたのが最初だと言われる[7]。しかし,特に初期のEC-AFMはあくまでも電極固体の構造が測定の対象で,測定モードもコンタクトモードやタッピングモード(ACモード)など探針と試料電極の接触を前提とした測定がほとんどで,またカンチレバーの電位はまったく制御が考えられていない。少なくとも探針電位を制御してその依存性が議論された報告例はほとんどない。現在,市販されているEC-AFMのほとんどはこのタイプである。

3-4. EC-FM-AFM測定

 周波数変調検出型AFM (FM-AFM) は,探針が先端についたカンチレバーと呼ばれる微小なてこを,共振周波数に保って振動させながら試料表面に近づけることで,周波数変化として力を計測して表面を画像化する手法である。PLL(phase locked loop)と呼ばれる復調機を用いて常にカンチレバーを共振周波数に保つ(共振振幅も一定に保つことが多い)ことが特徴である。この手法で高い空間分解能を得るための一つの指標は,カンチレバーの共振曲線がいかに鋭いかであり,ピークの半値幅の逆数に比例するQ値が大きいことが必要とされた。例えば真空中で300 kHz程度の周波数で共振するQ値〜104のカンチレバーは,水溶液中では共振周波数約150 kHz,Q値は約10に減少する。Q値が3桁小さくなるこの事実だけでもFM-AFM手法を溶液中に適用することは難しいと考えられていたが,2005年に京都大学 山田らのグループを中心に,カンチレバーの変位検出系のノイズを大きく低減し,さらに観察中のカンチレバーの振幅を(溶媒分子サイズと同程度の)1 nm以下で制御することで,水溶液中の固体表面の原子分解能観察が可能となることが示された。振幅を小さく抑える最も大事な理由は,探針の試料表面からの距離を(画像化に必要な)近距離力が働く範囲内にとどめることで,実効的な力感度を高くできるからである。さらに,圧倒的に高い力感度が達成できるようになったため,固体表面との距離を変えながら力を測定することで,固体の近傍にある液体の中で特別に働く力(電解質水溶液の場合には,界面の水和構造を壊すのに必要な力やその空間分布)も計測できるようになった。これらの革新的進歩の詳細については,固液界面計測のロードマップ原稿を参照されたい。

図4 (a)電気化学FM-AFM (EC-FM-AFM)の概略図と(b)電気化学セルの拡大写真.

 図4にこれらの低雑音化技術を利用して電気化学系に適用可能とした電気化学FM-AFM(EC-FM-AFM)の概略図を示す[8]。bipotentiostatを用いてカンチレバーをもう一つの作用電極として,試料とは独立に電位制御する点は,EC-STMと共通である。この技術革新によって,非常に小さな力を安定して計測しながら界面での電子移動過程によって変化する電極界面の画像化が可能となった。その一例を図5に示す。

図5 (a-c) 図3と同様の末端にレドックス活性基をもつFcC11H22SH分子をC10H21SH SAM中に島状に埋め込んだAu(111)電極試料(Fc-アイランド試料)のFc基の酸化状態に依存したEC-FM-AFM像(176 × 159 nm2),(d) line profileと(e) その可逆的高さ変化を説明するモデル図. 0.1 M HClO4水溶液中,電位はAu/AuOx擬参照電極に対する値で,探針電位は試料電位と同電位に設定.
これは図3のEC-STMで解析した系と全く同じで,Fc基のFc+への1電子酸化に伴って,分子集合アイランドの高さが0.44 nm増加する(図3(d))。この可逆的な高さ変化は,配位することでFc+の正電荷を安定化し反応を促進するClO4-アニオン を直接画像化したものであると結論づけられた[8]。すなわち,まったく同じ系をEC-STM測定した実験(図3)では得られなかった溶液側の電解質イオンの反応への関与が直接観測されたもので,それまで分光手法によって間接的に示唆されていた結果に基づく仮説が実空間観測で実証されたものである。

 電極基板に垂直な方向に探針を動かして力を計測するフォーススペクトル測定で,界面近傍の水のネットワーク構造が電極電位および電解質の種類に強く依存することが報告されている。図6に示すように,電解質イオンが強く吸着しないグラファイト電極表面において,正電位掃引によって電解質アニオンが電極近傍に集まると,ClO4イオンの場合にはグラファイト表面に沿った水和ネットワークを抑制することで,水の層間隔に相当する周期をもつ振動力のピークの大きさが小さくなるのに対し,HSO4イオンの場合にはピークが大きくなり,水和ネットワークを逆に促進することが示された[9]。図5の例のようにredox活性種と電解質イオンの強い吸着により安定化エネルギーが変わる系で電解質依存性が見られることは電気化学の常識であるが,界面近傍の水の水素結合ネットワーク構造まで変化するのはこれまで想定されていなかったことである。

 さらにこのような電極界面近傍のイオンの挙動は,電極位置での界面エネルギーを変え,界面での分子組織化を阻害または促進し,その結果としてそれら分子の酸化還元反応の効率を大きく変化させることも分かってきた[10]。界面での分子の組織化と機能の創成は,センサーやエネルギー蓄積材料の創成に重要性を増しているが,その組織構造の安定性や構築の制御性に電位や電解質イオンが大きく関わることを示唆する点で重要な成果である。

図6 グラファイト(HOPG)電極と電解質水溶液(上段0.1 M HClO4,下段0.1 M H2SO4)との界面における水和構造の電極電位依存性.ClO4-アニオンは水和ネットワークを弱めるが,HSO4-アニオンは逆に強める.

 また,水溶液より粘度が高いためにより力感度が低下するものの,電位窓がより広く(化学的に安定),極めて蒸気圧が低いために難燃性であり応用上も重要なイオン液体の中においても界面の無機固体や有機固体の高い空間分解能の測定が可能となってきている[11-13]

4. 今後の電気化学系のSPM測定に期待されることと技術予測ロードマップ

 既に述べたように,電気化学系のSPM測定に特別な技術要素は多くはない。SECMやEC-STMについては,すでに成熟の域にあり,単独での特別な技術革新は期待できない。EC-AFMについては,固液界面のEC-FM-AFMによる3次元力マッピングにより得られる界面近傍の液体側の情報解析が期待される。固体表面の構造と対応がつきやすい周期的な水和水構造とは異なり,電気二重層内のカウンターイオンの密度分布をいかに解析できるかが鍵となる。

図7 微小電流同時計測用のカンチレバーの例[14]
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 真空中の測定で進んでいるような,複数情報の同時計測手法も必要となるであろう。現時点では,例えば図7に示すような高分解能構造解析と微小電流を同時計測できるプローブの開発が進められている[14]。EC-STMの所で述べたように,電流計測には探針先端以外の絶縁化が必須で,例えば図7のような微細加工によるプローブ作製が一つの方向である。溶液中でもファラデー電流Itip, ECを抑制して,数十pAの電流の同時計測が可能なプローブも報告があり,EC-FM-AFMによる3次元力解析とEC-STMによる酸化還元電位測定の利点を併せもつ測定も可能となるかもしれない。現在確立しているEC-STM技術の延長では,q-Plusセンサー[12]やKolibriセンサーなどの金属探針に絶縁被覆の方法論を適用して行ければ,同時計測可能なプローブ作製も不可能ではない。

図8 2013年現在の技術レベルを踏まえ予想される電気化学SPM計測のロードマップ.

 固液界面のFM-AFM計測など密接に関連する測定要素技術のロードマップとも対応させながら,2013年現在の技術レベルを踏まえて今後約10年間で予想される電気化学計測のロードマップを図8に示す。一般的に誘電率が高いために容易に電荷が遮蔽される電解質溶液を媒質とするため,電荷の絶対量の評価は困難であり信号強度は弱くならざるを得ないであろう。そうした環境下での計測量を定量的に取り扱うためには,SPM実験のみでは限界があり,他の界面選択的な分光手法からの情報はもとより,SPM探針の運動,SPM探針が共存する中での電解質溶液分子のダイナミックス,など界面の大規模シミュレーションが必要となってくると考えられる。特に,溶媒分子やイオンと同程度の大きさの電極表面の凹凸や実際の作動電極により近い(比較的)平坦でなく表面積の大きな電極系への適用は,実験技術のみならず,シミュレーションとの協同的進展が必須であると予想される。


参考文献

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  4. [4] W. Schindler , M. Hugelmann, P. Hugelmann, Electrochim. Acta 50, 3077–3083 (2005).
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  11. [11] Y. Yokota, T. Harada, K. Fukui, Chem. Commun. 46, 8627-8629 (2010).
  12. [12] T. Ichii, M. Fujimura, M. Negami, K. Murase, H. Sugimura, Jpn. J. Appl. Phys. 51, 08KB08 (2012).
  13. [13] Y. Yokota, H. Hara, T. Harada, A. Imanishi, T. Uemura, J. Takeya, K. Fukui, Chem. Commun. 49, 10596-10598 (2013).
  14. [14] P.L.T.M. Frederix, M.R. Gullo, T. Akiyama,A. Tonin, N. F. de Rooij, U. Staufer, A. Engel, Nanotechnol. 16, 997 (2005).
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